「清涼飲料水」と聞くと、飲んでスッとさわやかな気分になるイメージが湧きますよね。コンビニにいけば様々な新商品が並び、季節に合った味が楽しめます。ただ、その清涼飲料水の成分について気にされたことがありますか? その商品に味のイメージからは想像がつかないほどの砂糖が含まれているとしたら……
成人病が若年化し生活習慣病に
今回のテーマは清涼飲料水に含まれている糖質=砂糖についてお話します。どれくらい含まれているか、その味から想像できますか? 後ほど具体例を挙げて紹介しますが、その含有量に驚かれるかもしれません。
その前に、働き盛り世代に多いとされている「成人病」のお話を少し。30〜40代に多いとされていますが、日本人の食生活の変化によって今日(こんにち)では小学生から高校生まで、約40%がその予備軍とされているデータがあります。昔は大人がかかる病気だったのが、「生活習慣病」と呼び名を変えて、幅広い年代が対象となるようになった、ということですね。
脂の多いファーストフード、コンビニで購入できるスナック菓子や菓子パン、清涼飲料水と、当たり前になったスタイルが習慣となってしまい、誰でも肥満やメタボ(リックシンドローム)となる危険性を含んでいます。
お子さんがいる家庭で、水やお茶を飲む習慣はどれくらいありますか? 小学生が学校に水筒を毎日持参するエリアも多いと思いますが、自宅でジュースを欲しがりませんか? また大人も一緒になって結構な量を消費してしまってはいないでしょうか。
コーラなどの炭酸飲料、スポーツ飲料などの清涼飲料水、そしてペットボトルの「甘さひかえめ」と表記されている紅茶、「微糖」と書かれた缶コーヒー。そのほぼ全てに砂糖が入っています。
ジュースの栄養成分表示に注目し砂糖の量を知る
では実際に、清涼飲料水と位置づけられている商品にどれくらいの糖分(砂糖)が含まれているかを説明していきます。
まずコーラ。今ではゼロキロカロリーなどのバリエーションもあり、それはそれで人工甘味料がどのような存在であるかを前回の記事で紹介しました。
通常の銘柄ですと、栄養成分表示の炭水化物の項に100mlあたり11.3gと書かれています。それがペットボトル1本500mlとして、11.3g×5ですので、56.5gもの糖分が含まれている計算になります。こちら、想像しやすい例えで表すと、ホットコーヒーに入れるスティックシュガーが1本3gですので、約19本も入っていることになります。
しかし、なぜペットボトルのコーラを飲んでも甘ったるく感じないのか不思議に感じませんか? それは味付けに酸味料やクエン酸などで調整されているからです。サイダーなども同じ理屈でさわやかな飲み口に仕上がっているというわけですね。特にシュワッとした炭酸であればなおさらです。
スポーツ飲料も、部活など激しいスポーツや運動会、公園で遊んだときにピッタリなイメージがあります。それでも100mlあたり約5gは含まれています。500mlのペットボトルだと25gの糖質ですので、スティックシュガーが8〜9本ということになります。やはり少なくはないですよね。
あとは天然水ブランドのフレーバー入り商品。「ほのかな甘み」というフレーズが使われていたりしますが、スポーツ飲料と同じくらいの糖質が含まれているケースもあります。
1日25gを軽々と超える生活を送っていないか
つい自然と手が伸びてしまいがちな清涼飲料水ですが、これほど砂糖が含まれていると認識していましたでしょうか?
肥満がちな人の習慣をじっと観察していると、どこかで清涼飲料水を普通に摂取していたり、またその量が多かったりと原因が見つかるかもしれません。1日の習慣を見直して減らしていかなければ健康をどんどん失っていく可能性が高まります。
ちなみに成人の砂糖の目安摂取量は25gです。
500mlのコーラで半分以下ですね。1日1L飲む人は4倍を超えています。
こうした過剰摂取をすると、血糖値が急上昇します。本来であれば、すい臓からインスリンが分泌され血糖値を下げる働きをしますがインスリンの分泌も鈍くなり高血糖状態が続き、疲れやすくなり喉が渇き、余計に清涼飲料水を求めてしまうことになります。これを「ペットボトル症候群」と呼びます。当然、肥満や糖尿病の原因となり、ゆくゆくは発症するでしょう。糖尿病の合併症として動脈硬化や腎不全を引き起こします。
一度にガブ飲みすることを避け、ペットボトルからコップに移して少しずつ飲む、さらにストローで一気に飲まない工夫なども有効です。
こうした健康を食べ物や飲料から気にかける場合、日ごろの習慣が邪魔をするケースも大いにしてあります。自分が今、何を口に入れているか、それがどんな成分で構成されているかを確認するだけでも摂生の意識が働きやすくなりますので、まずは「栄養成分表示」を確認する習慣をつけましょう!