「糖尿病」と聞いて「一度罹ってしまうと治らない」、「厳しい食事制限や治療が待っている」とイメージを持たれる方も多いでしょう。しかし実際、どのような症状や種類があるのか、ハッキリと認識できていないかもしれません。そこで、今回から数回に分けて糖尿病のアレコレを説明していきたいと思います。罹らないように日常気をつけるべきポイントや症状例などを覚えていきましょう。まず初回、糖尿病とはどんな状態を指すか、またその種類について、そして自分で実感できる自覚症状についてお話していきます。
糖尿病が「国民病」とよばれる理由。どんな病気?
では早速、なぜ糖尿病が「国民病」とまで言われているのか? ということですが、厚生労働省の調べによると「2014年患者調査の概況」にて、316万6000人、その前回の2011年から3年で46万6000人も増加していることが判明しました。糖尿病と糖尿病予備群まで含めると、およそ国民5人に1人となる2050万人にのぼり、まさに国民病といっても差し支えない規模ですよね。
その糖尿病。いったいどんな病気かというと、「血糖値が正常な値を超えた状態」とあります。もう少し具体的に説明すると、食事で摂取する炭水化物に含まれるブドウ糖が腸で吸収され、血液中に溶け込みます。同時に「インスリン」というホルモンが分泌され、ブドウ糖の吸収をサポートする働きを見せます。このインスリンの分泌が正常に行われず、エネルギーとして吸収されないブドウ糖が余ってしまう(血糖値が高い)状況が糖尿病というわけです。
この血糖値が高い状況、血液がドロドロになり体中の血管に大きな負担がかかります。それを起点に引き起こされる合併症によって、失明や手足指先の壊死などが起こる可能性も高まります。
糖尿病にはどんな種類がある?
血液中のブドウ糖が吸収されず血糖値が上がってしまい正常値をキープできない状況を糖尿病であると説明してきましたが、その糖尿病にもいくつかの種類があります。
糖尿病は、大きく「1型糖尿病」「2型糖尿病」「妊娠糖尿病」の3つに分類されます。
まず「1型糖尿病」ですが、インスリンを分泌する膵臓の機能に異常をきたしてしまい、ブドウ糖を分解できなくなった場合を指します。子どもや若年層に多く発症し、悪くなっていく進行も早いのが特徴です。インスリンを分泌できないことから、体外から注射によってインスリンを補う治療が必要となります。
そして「2型糖尿病」は、遺伝的に罹りやすかった人が乱れた生活習慣、とくに暴飲暴食や運動不足、それらが引き起こす肥満状態などが原因となって発症に至ります。七大生活習慣病の一つに糖尿病が含まれていますが、その原因から「2型糖尿病」を指しています。自覚症状がほぼ無いことから実感しづらく、血糖値コントロールができないほどに進行するとインスリン注射が必要となります。中高年は特に気をつけたいところです。
「妊娠糖尿病」は、文字通り妊娠中の女性に起こる糖尿病ですが、胎盤から作られるホルモンがインスリンの働きを抑制し、血糖値を上昇させてしまう症状です。厳密には糖尿病ではなく、ホルモンの影響による一種の糖代謝異常を指しています。家族に糖尿病患者がいたり、高齢妊娠の場合に確率が上がります。
診断基準はどこ? 代表的な自覚症状とは
健康診断による結果で、糖尿病であると認定されなければ具体的な治療に進めませんよね。では、日常生活で「あれ?自分、ヤバいかな?」と、認識するためにはどんな身体のサインに気をつける必要があるのかをご説明します。
【代表的な自覚症状】
- 疲れやすい
- 多尿
- 口の乾き
- 体重の減少
このあたりに心当たりがあると注意信号です。そして糖尿病とされる診断基準は以下の通りです。
【糖尿病の診断基準】
病院で受ける検査において、以下の項目に該当する数によって「“糖尿病型“として糖尿病の疑いがあり再検査」、または「糖尿病と診断」や「正常型」と診断されます。
- 朝の空腹時血糖値 126mg/dL以上
- 75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値 200mg/dL以上
- 時間関係なく測定した血糖値 200mg/dL以上
- HbA1c 6.5%以上
1.〜4.のいずれかが該当した場合→「“糖尿病型“として糖尿病の疑いがあり再検査」
1.〜3.のいずれか、プラス4.が確認された場合→「糖尿病と診断」
- 朝の空腹時血糖値 110mg/dL未満
- 75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値 140mg/dL未満
5.および6.が確認された場合→「正常型」
以上の項目のどこに当てはまるかで、自分の状態を確認することができます。定期的な健康診断や人間ドックの受診を心がけましょう。
次回は、今回少しだけふれた「自覚症状」と「合併症」を詳しく説明していきます。
あわせてお読みください
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- 糖尿病が引き起こす合併症。その前にどんな自覚症状があるの?
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