栄養素について考える 〜カルシウム編

「カルシウム」は、人間の骨や歯などを形成するために必要となる重要な栄養素ですが、年齢とともに骨はもろく、また食が細くなっていき食事から吸収することもむずかしくなってきます。今回は、効果的な摂取方法や、それらが含まれる食べもの、そして一緒に摂取しないほうが良い栄養素などを紹介していきます。

骨に重要なのは栄養素だけでなく運動・ホルモンのバランス

若年層にはまだ実感も乏しい「骨粗しょう症」。加齢によって骨密度が下がり、骨折の可能性が高まる症状ですが、骨折してしまってからでは、運動によるリハビリも難しく、日頃から健康に歩ける身体づくりが重要です。

一節によると、女性さらに65歳以上の半数が骨粗しょう症であるとも言われています。日々の生活の中で、意識して「骨の密度が落ちてきたかも?」と実感することは難しく、ちょっと躓いただけで、思いもよらぬ骨折をしてしまい、しかも治りづらいというケースを想像すると、とても恐いですよね。

若くてもダイエットを日常化していると骨粗しょう症の予備軍に入ってしまい、健康が遠のきます。健康にも骨にも必要なのは、やはり「栄養・運動・ホルモン」、これらのバランスが重要といえます。

カルシウムは1日にどれくらい摂取すればいい? 食べ物にはどれくらい含まれている?

では改めて、カルシウムは1日にどれくらい必要なの? を改めて確認していきましょう。

18歳以上の女性ですと、体重にもよりますが1日およそ650mgが必要となります。男性は780mgと、平均的な体格差からも鑑みてめやす摂取量が多いですね。

では、カルシウムが多く含まれていると言われている食べ物にはどれくらい含まれているのでしょうか。

【カルシウムを含む代表的な食べ物】

  • 牛乳200ml……220mg
  • プレーンヨーグルト100g……120mg
  • 木綿豆腐100g……86mg
  • 納豆50g……45mg

と、書き連ねてみましたが、馴染みのある食べ物ばかりだと思います。しかしこれらを多く食べても、カルシウムが吸収されず排出されてしまう割合も、けっこう多いのです。

例えば牛乳・乳製品で摂取した量の50%程度、小魚は30%程度大豆製品では20%程度しか体内に吸収されないのです。

そこで他の栄養素と一緒に摂取することで吸収率を上げる作戦がありますので、カルシウム以外の栄養素についても覚えておきましょう。

食べ合わせで吸収率が変わる! 一緒に摂取したい栄養素とは

カルシウムだけでは、その半分ほどしか吸収されない事実をお伝えしましたが、他の栄養素の存在が重要になってきます。カルシウム+〇〇という組み合わせを覚えて、効果的な摂取を意識してみましょう。

カルシウムと同時に摂取すると吸収率がアップする代表的な栄養素は、ビタミンD、マグネシウム、ビタミンK、イソフラボンなどが挙げられます。それぞれどのような働きを見せるのでしょうか。

・ビタミンD

ビタミンDは、太陽光を身体で浴びると体内で生成されると聞いたことがある人もいるかもしれませんね。外から体内に取り込まれることで活性化し、カルシウムを腸〜血管〜骨と運んでくれるサポートをしてくれます。魚やキノコ類に含まれ、サンマ、アジ、干しシイタケなどにも含まれます。

・マグネシウム

マグネシウムは、骨をつくる大事な成分であるとともに、骨芽細胞にも働きかけ、骨中のカルシウム量を調整する役割も担います。カルシウムとの比率を2:1で摂取することが良いとされています。納豆、ひじき、アーモンドなどに多く含まれています。

・ビタミンK

ビタミンKは、骨にカルシウムを沈着させるためのオステオカルシンというタンパク質を活性化させるために必要な栄養素です。さらにカルシウムが尿で排泄されることも抑えてくれます。納豆、ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなど野菜に多く含まれています。

・イソフラボン

イソフラボンは大豆製品に多く含まれる栄養素として注目され、納豆や豆腐、厚揚げから摂取することができます。女性ホルモンの一つ、エストロゲンと似た働きをすることで、骨からカルシウムが溶け出すことを抑制してくれます。

カルシウムを意識して摂取するときは、あわせてビタミンD、マグネシウム、ビタミンK、イソフラボンと覚えておきましょう。

一緒に摂取するとカルシウムの吸収を阻害してしまう他の栄養素もある

逆に食べ合わせると吸収率が落ちる栄養素があるんじゃないの? という方、鋭いです。最後にそちらを紹介して終わりたいと思います。

カフェイン、アルコール、リン、この3つはカルシウムの吸収を阻害することを覚えておいて下さい。例えばコーヒーや紅茶に多く含まれているカフェインは避けましょう。カフェオレが好きな人は、これでカルシウム摂取ができるとは思わないほうが良いですね。さらに色素として含まれているタンニンもカルシウムの吸収に良くない働きをします。カフェインを日常的に摂取している人は、急激に止めてしまうと離脱症状が辛くなってしまうケースもありますので、摂取の量やタイミングを検討しましょう。リンはインスタント食品やスナックに含まれていますので、間食が多い人は注意が必要となります。

今回は、骨をつくるカルシウムについて、めやす摂取量や、吸収率を上げてくれる他の栄養素、そして一緒に摂取してはいけない栄養素について説明してきました。

食べ物から摂取するしかない栄養素ですが、健康的な生活習慣や適度な運動からの刺激によって骨が形成されていくことも忘れてはいけません。くれぐれも食事が完璧だから大丈夫、と思い込み過ぎないようにバランス良く生活していきましょう。

代表取締役 田中 稔也
著者株式会社メディカルフーズ みのりや
代表取締役 田中 稔也

国家資格管理栄養士・調理師
その他資格
糖尿病療養指導士・食育指導士

経歴公益社団法人福岡県栄養士会
筑後支部 山門分会長 
(任期:2007年~2009年)

メディア出演FMたんとにてラジオ番組放送中
79.3MHz (毎週水曜12:27~)

2006年から内科専門病院にて病棟担当制の管理栄養士として月に100件以上の栄養指導に従事し、院内NST(栄養サポートチーム)の一員として活動。2010年に健康食・治療食宅配「みのりや柳川店」開店。2013年に「みのりや大牟田店」。地域の皆さまへ「本当に安心・安全な食を提供し、健康で豊かな生活を送るお手伝いをしたい」との想いで日々仕事に励んでいます。