西日本から順に梅雨が明け、本格的な夏到来。
うだるような毎日の暑さに体調が優れないケースも増える時期です。
食欲の無さから、つい簡単に済ませてしまいがちな食事について、効果的な栄養摂取ができる食事法や水分補給についてレクチャーしていきます。
身体のダルさを放っておくと、思わぬ症状が出て身体に深刻な悪影響が出てしまう可能性もありますので、しっかりとした栄養補給を心がけましょう。
冷たいそうめんなどの炭水化物にはビタミンやミネラルをプラス
夏の暑さから、簡単に済ませてしまいがちな食事。
温かいメニューよりも、のど越しの良い冷たいそうめんなどが代表的ではないでしょうか。
しかし、麺だけですと炭水化物が多くなり、その他の栄養素が不足しがちです。
同時にタンパク質やミネラルを摂取しなければ発汗によって、必要な栄養素が体外に放出され、「夏バテ」状態に陥ってしまいます。
夏バテしないためには、やはり栄養バランスを整えることが最重要課題となります。
食事のメニューがシンプル=炭水化物寄りとなる場合、糖分をエネルギーに変えるためにビタミンB1が必要となります。
これが不足すると、エネルギー消費に少ない栄養素が使われてしまい、身体のダルさや倦怠感に繋がります。
豚肉やウナギ、レバーといったビタミンB1が含まれる食品をメニューに、積極的に取り入れましょう。
古くから夏にウナギを食べて精をつける理由がここでわかりましたね。
豚肉は冷しゃぶなどにしても、そうめんに合うおかずにできますね。
その際、ネギやニラなどをトッピングすれば、これらの野菜に含まれる「アリシン」という成分がビタミンB1の吸収を促進してくれます。
また野菜も、旬のものを選ぶことでその季節に必要な栄養素を摂取することができます。
トマトやゴーヤ、パプリカなど彩りが良い夏野菜を選ぶことで、ビタミンやミネラルを摂ることができます。
香辛料や香味野菜、そしてネバネバ系で食欲増進
暑いと食欲も減退し、栄養不足から夏バテに繋がります。
そこで効果的なのが食欲をそそる香辛料です。
例えば夏野菜をたっぷりと使ったカレーはビタミンを豊富に摂取できます。
そのほかコショウやワサビを効かせた刺激のあるメニューも良いですね。
さらに香味野菜に分類される生姜やミョウガ、シソの葉など、香りの強い野菜も効果的です。
豚肉の生姜焼きはビタミンB1と生姜の組み合わせですし、ご飯が進むおかずの筆頭といえます。
オクラや長芋といったネバネバ系食材も夏バテを防ぐために覚えておいて損はありません。
納豆やオクラ、そして山芋を混ぜた丼メニューもオススメです。
水分補給でのスポーツドリンクはNG。水やお茶でOK。
ここまでは夏バテを防ぐための食欲を促進させる効果的な食事方法を説明してきましたが、最後に水分のとり方について紹介いたします。
暑い夏は発汗による脱水症状に注意が必要ですが、水分補給の方法も普段の食事と密接な関わりがあります。
よく人間の体液と同じ浸透圧をもつスポーツドリンクの方が効率よく水分を吸収してくれるという説明が書かれているのを目にしますよね。しかしすべての人に当てはまるわけではありません。
昼間の暑い中、屋外で仕事をしている人やスポーツなど激しい運動をしている人は、スポーツドリンクで良いのですが、飲み過ぎには注意が必要です。
それ以外のオフィスワークや日常生活をしている人であれば、スポーツドリンクは糖分過多になるケースが多い為、できるだけ控えるように心がけましょう。
通常の朝昼晩の食事や、日常的に摂取している清涼飲料水から、すでに十分過ぎる程の糖分を摂取している場合もあります。
ここで喉が渇いたからといって糖分が含まれたスポーツドリンクを飲んでしまうと、血糖値が急上昇し、一時的に糖尿病のような症状に陥る場合もあり、とても危険です。
これを「糖尿病ケトアシドーシス」といいます。
糖尿病ケトアシドーシスは、喉の乾き・多尿・倦怠感などの症状から、さらに酷くなると嘔吐・腹痛・意識障害と命に関わるケースもあります。
日本人の食生活は、すでに塩分過多といわれている状況ですので、デスクワークなど激しい運動をしていなければ、水分補給は水かお茶で十分です。
こまめな水分補給を忘れずに
家の中にいるから大丈夫と思っていても、人間の身体は常に発汗し、寝ているときでさえ身体の水分は失われていきます。
夏バテと脱水症状を一緒に説明したのは、これらが密接に関連しているからです。
人間は1日に2.5リットルの水を必要としていますが、すべて水で摂取しているのではなく、食事からも得ています。
暑い夏に食欲が減退し、食事の回数が減ると水分が十分に摂取できず脱水症状に繋がることがおわかりいただけると思います。
特に高齢者になるほどに体内の水分量も減り、食事量も少なく、脱水症状になってしまうケースもあります。
家族同士で常に水分補給ができているかチェックすることも大事ですし、喉が渇く前に水分補給、そして外出時もペットボトルを持ち歩くことも忘れずに実行したいですね。
最後に、寝起き時と就寝時に、コップ一杯の水を飲むことをオススメしておきます。
脳梗塞や心筋梗塞は脱水とも関連深いと言われていて、深夜早朝の発症が多いデータもあります。
季節関係なく効果的な水分補給を習慣づけるようにしていきましょう。