摂りすぎ注意! 健康栄養素にひそむ脂質や糖質に着目してみよう

「〇〇ダイエット」など、特定の栄養素を集中的に摂取するダイエット法が、登場しては消えていきます。

このようなダイエットで体調を崩してしまっては、健康的な生活は送れませんよね?

栄養価が高いとされている食品を摂取することに意識が向きすぎてしまい、ほかの栄養素とのバランスに目が行かず、脂質や糖分過多に陥ってしまう危険性があります。

例えば、生野菜サラダのドレッシングも脂質が含まれるタイプのものをたくさんかけてしまったり、間食のナッツ類も食べ過ぎてしまったりすると、結局は脂質過多となります。

また、ここ数年でよく目にするようになったエナジードリンク類やコンビニコーヒー。

これらは自然と私達の生活に馴染んでいますが、不必要な栄養素を過剰に摂る場面が増えています。

今回は、これら摂りすぎで体調不良に繋がる危険性のある食品・成分についてお話します。

目次

食物繊維たっぷりの野菜サラダもドレッシングで台無しに?

健康を意識すると、積極的に摂取したくなる野菜。

フレッシュな生野菜をできるだけそのまま食べようとサラダにしていただくことは、とても良いことです。

ですが、その味付けとして、どんなドレッシングを使いますか? というお話です。

例えばマヨネーズ。大さじで100Kcalもあることをご存知でしたか?

おにぎり1個でおよそ200Kcal弱ですから、そのカロリーの多さがわかると思います。

胡麻やフレンチそして中華などのドレッシングですと、おおさじ1杯で40〜60Kcalもカロリーを摂取することになります。

せっかくのヘルシーなサラダですから、ノンオイルタイプのものに変更したりポン酢に置き換えることで、摂取カロリーをかなり抑えられます。

もし、味気ないと感じたときの対処方法ですが、オリーブオイルを少量足してみることをオススメします。

「脂質が上がってしまうのでは?」と懸念されると思いますが、他にもオレイン酸やポリフェノールなど抗酸化作用のある成分が含まれており、風味もアップします。

ノンオイルドレッシングとオリーブオイルを2:1の割合で混ぜてみて下さい。

本格的なコーヒーやエナジードリンクなどコンビニ通いはカフェイン中毒の入口

多くの人が日常的に利用するコンビニエンスストア。ついクセで入ってしまう人も多いと思います。

ここ数年で広まったコンビニコーヒーは、本格的な豆を1杯ずつ挽いてくれて、かつ低価格で人気商品として定着しました。

コンビニごとに味の特長も違い、お気に入りとしてリピート購入することで、日常的にコーヒーを飲む機会が増えていませんか?

また、清涼飲料水コーナーに並ぶエナジードリンクの数々。定期的に新しいフレーバーが登場し、体調とは関係なく購入してしまう人も多いかもしれません。

このほか、お茶や紅茶などにもカフェインが含まれており、いつの間にか、カフェイン入り飲料の購入が習慣化している恐れもあります。

カフェインは興奮剤の一種として存在しますが、体内に吸収されると脳が覚醒し、疲れを感じにくくなったり仕事の効率を上げたりする効能もあり、一見良いものに感じますが、今回のテーマである「摂りすぎ」に着目すると、さまざまなデメリットも見えてきます。

デメリットを挙げていくと、カフェインには胃液の分泌を促す働きがあり、胃を荒らす原因にもなります。

さらに鉄分や亜鉛などのミネラルの吸収を阻害することで貧血気味の人の症状を進めてしまう可能性もあがります。

何より、摂取し続けると常に興奮状態になり、自律神経のバランスが崩れてしまい、だるさや目眩、気分の落ち込みといった症状がでることもあります。

外を歩いていて、なんとなく目眩がするな、と思ったらカフェイン摂取を控えてみることをオススメします。

常に脳が覚醒した状態が良くないことは想像に難くないと思います。

世界的に見ると、アメリカ合衆国やカナダでは1日400mg(成人)を超えないように指導されており、年齢が下がるほどに摂取量も少なく設定されています。

コーヒーの淹れ方や種類にもよりますが、1日にどれくらい飲む習慣があるのか、自分で振り返ってみる良い機会ではないでしょうか。

習慣に潜む「摂りすぎ」問題

今回の、ドレッシングやカフェインといった日常にあり、なかなか意識しづらい「摂りすぎ」についてご説明してきました。

いかにも油っぽいドレッシングや、コーヒーの飲み過ぎによるカフェイン摂取ですと、イメージもしやすいですね。もう少し掘り下げると、健康食品でさえ「摂りすぎ」による悪影響がでることもありますので、最後に付け加えておきます。

例えば「胡麻」は、身体に良い食品だと認知されていますよね。

その高い栄養価による恩恵を受けられますが、成分の半分は脂質、すなわち油分なのです。

カロリーも高く、大さじ1杯で94Kcalもあります。

確かに必須アミノ酸やタンパク質などを含んでいますが、極端に量を増やして摂取すれば良いというわけではないことが理解できるかと思います。

間食にお菓子を食べるならナッツ類にした方が良いと言われても、先の胡麻同様、脂質が多く含まれており、もし夕食に揚げ物が出たら、常に脂質を摂取していることにもなります。

主食であるお米を食べずに、豆腐やプロテインなどのタンパク質や果物を多くとるダイエットに関しても、栄養バランスが崩れます。

なによりタンパク質を多く摂取することは腎臓に負担をかけますし、果物も果「糖」が含まれていますので、「摂りすぎ」には注意が必要です。

身体に良いとされている多くの栄養素。身の回りで手に入りやすいものでも、他の栄養素とバランス良く摂取することで効果を発揮しますので、極端な栄養素の摂りすぎは避けることを心がけてみてくださいね。

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この記事を書いた人

田中 稔也のアバター 田中 稔也 管理栄養士

国家資格
管理栄養士・調理師
その他資格
糖尿病療養指導士・食育指導士

経歴
公益社団法人福岡県栄養士会筑後支部 山門分会長 (任期:2007年~2009年)

メディア出演
FMたんとにてラジオ番組放送中79.3MHz (毎週水曜12:27~)

高校卒業後、料理人を志し地元の和食店にて修行。栄養学に興味を持ち始め平岡栄養士専門学校へ入学。調理師、栄養士免許取得後、特別養護老人ホームの調理現場責任者に従事。2年の現場経験の後、独学で管理栄養士国家試験を受験し一発合格。その後、内科専門病院にて病棟担当の管理栄養士として糖尿病を主とした生活習慣病患者の栄養指導を毎月100件以上行い糖尿病療養指導士取得。院内ではNSTチームメンバーとして活動。2006年〜2008年、福岡県筑後地区栄養士会分会長就任。任期満了後、退任。
現在は健康食に特化した配食事業の会社を2010年から経営。地域の皆さまへ「本当に安心・安全な食を提供し、健康で豊かな生活を送るお手伝いをしたい」との想いで日々仕事に励んでいます。
また、これまでの経験を活かし管理栄養士として、食に関連した生活習慣病の改善、美容、ダイエット等の健康情報を発信をしています。 

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